たとえば水田の除草剤を考えてみると、10アール(1反=300坪)を1人で除草した場合、
田植えから収穫まで数回合計約50時間かかるとされています。
農家の時給を地域の最低賃金=時給700円で計算すると700円×50時間で35,000円。
除草剤の値段が3,000円ぐらいなので、農家の除草剤使用による経済効果は、
35,000-3,000=32,000円 となります。
これが発展途上国の貧しい農村部の水田とすると、時給は10円ぐらいなので、
10円×50時間で500円。3,000円の除草剤を使えば完全に赤字です。
こういう場所では除草剤は売れないし、仮に売ろうと思えば200円ぐらいじゃないとダメ。
これが俗に言う「農薬の内外価格差」が発生する原因です。
先の日本の計算例では除草剤を散布するために必要な時間が考慮されていません。
除草剤の散布時間は方法によりますが30~60分程度。ジャンボ剤などの散布省力化剤は
散布時間が30分短くて済んだとすれば350円ぐらい高くても良いことになる。
製造コストも高くついているだろうから、その程度の価格アップはやむを得ない。