日本の病害虫図鑑

 農薬をまいていったい何を防除しているのでしょうか?日本の主な病害虫を紹介しましょう。農業の現場を知ることが農薬の問題を考える上で重要なことです。農家の人々や作物はこれらの病害虫と日夜格闘?しているわけです。

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 なお、写真は「島根県農作物病害虫雑草図鑑」山根国男 編(1989年 発行:山陰中央テレビジョン)から引用しました。家庭の害虫編の写真は「不快害虫とその駆除」日本環境衛生センター(1987年 発行:同) と「家屋害虫事典」日本家屋害虫学会(1995年:井上書院)から引用しました。

 写真は害虫「トビイロウンカ」による水田の「坪枯れ」。
1、害虫編
 日本には何百種類もの害虫が住んでいます。そんな中でも特に重要な害虫を紹介しています。
 ゴキブリや蛾などが家庭での嫌われ者ですが、農業での嫌われ者は植物を食べる昆虫ということになります。皆さんの知ってる植物を食べる昆虫と言えば・・・・アオムシ(葉を食べる)やセミ(樹液を吸う)やコクゾウムシ(米を食べる)などでしょう。こういった虫の仲間達が農業害虫となっているのです。
2、病害編
 植物に病気を起こさせる原因には、栄養やミネラルの不足によるものと、カビや細菌やウィルスなどによるものとがあります。一般に、後者を病害と呼び、前者を生理障害と呼びます。病気を治すにはその原因を取り除けば良いのですが、その為に使われるのが殺菌剤です。植物病害の原因はカビの仲間(糸状菌)によるものが圧倒的に多く、人間の病気(細菌やウィルスが主)とは異なります。
3、雑草編
 作物以外の草は全て雑草と言えますが、その中でも特に、田畑に生え作物との成長競争に勝ってしまう、あるいは負けない草がここでいう「雑草」です。大変種類が多いので、ごく一般的なものだけを紹介しました。雑草による減収は想像以上に大きく、養分や日光の奪い合いにより30%以上の減収になることも珍しくありません。また、機械化された田畑では、機械の働きを邪魔したり、収穫物に雑草が混じったりして大きな問題となります。
4、家庭の害虫編
 現代、特に都会では虫嫌いな人が増えており、家の中に入ってきた虫は全て不快に感じる人も少なくないでしょう。ですから、全ての虫が不快害虫と言えますが、その中でも主なものを紹介します。家屋害虫は 1、人に危害を加えるもの(カ・ノミなど) 2、器物に危害を加えるもの(シロアリ・シミなど) 3、単に気持ち悪いもの(クモ、ゴキブリなど)に分類されます。本来、3に該当するものは防除しなくてもいいのですが、そういう訳にもいかず、全てまとめて防除対象となっています。
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