−−−−水田の主な雑草−−−−
ノビエ 雑草として生えるヒエのことを総称してノビエと呼びます。イネと外観が似ており、大型なので雑草害も大きく、水田で最も重要な雑草です。イネを枯らさずにヒエは枯らすことができる除草剤は長らくありませんでしたが、1960年代にヒエに効く除草剤が開発され、その後も続々新型剤が出てきたことから、現在ではあまり大きな問題ではありません。
ノビエがイネと似ているのは昔から草むしりでとられてきて、イネと似ていてとられなかったノビエが次世代を残すことができ、それを繰り返されてきたことが原因であるという説もあります。ヘラオモダカ
多年生の雑草です。葉がへらの形に似ているのでヘラオモダカと呼ばれています。1株当たり2000個ぐらいの、多くの種を生産し発生量が多く、大型で養分収奪量も多いことから強雑草となっています。
ウリカワ
多年生の雑草で「イモ」で増殖する。小型だが繁殖が早くて、水田全面を覆うこともある。そうなると20〜30%の減収となってしまう。葉がウリの皮に似ていることからウリカワと呼ばれています。
ミズガヤツリ
1メートルぐらいに成長する大型の雑草で、株がどんどん分株して増えていき短期間で増殖するので問題となっている。種とイモと両方を生産するが、イモは低温に弱く乾燥状態では越冬できない。春先、種から芽を出して増えていく。除草剤に比較的強いので防除がしにくい雑草でもあります。
イヌホタルイ
生成した穂が蛍に似ていることからホタルイと呼ばれている。種子の寿命が長く、毎年必ず発生してくる雑草です。これも種子の産生量が多く、問題となりやすい雑草なので、除草剤だけではなく、よく耕して種を土中に埋めてしまうなどの工夫も必要です。
アゼナ
主に畦に生えるのでアゼナの名前がある。しかし、一部は田に侵入し雑草となる。小型で繁殖力も強くないので、あまり問題となっていなかったが、ごく最近になって除草剤が効かない個体(除草剤抵抗性雑草)が繁殖しはじめ、大きな問題となってきています。
−−−−畑地の主な雑草−−−−
ナズナ
どこにでも生えている。ペンペングサと呼ばれることもあり、また春の七草に数えられる、馴染みの深い草である。生薬として用いられることもある。どの作物の畑地にもよく侵入してくる雑草です。
エノコログサ
これもどこにでも生えている、お馴染みの草である。穂はネコジャラシと呼ばれることもある。エノコロは犬の子の意味で、穂が犬のしっぽに似ていることから名付けられたという。5月頃発芽し、10月頃実をつける1年生の雑草です。
ヤエムグラ
秋に発芽し冬を越して春に種子をつけます。秋に作付けする作物(麦など)にとって雑草となります。発生時期が一定せずダラダラ発生するので防除に手を焼きます。比較的除草剤が効きにくいせいもあり、強雑草となっています。
スズメノカタビラ
どこにでも生えていて、世界中どこでも一般的に見られる草です。日本では年中見られる。3〜6月頃に花が咲き実をつける。水田でも畑地でも発生し、丈夫な草なので強雑草となり易い。多くの除草剤に効果が見られ、比較的防除はたやすいようです。