−−−−イネの主な病害−−−−
−−−−野菜・果樹の主な病害−−−−
葉いもち病
イネにとって最大のライバルがこの葉いもち病です。有史以来の数々の飢饉にこの病気が関連していました。主に東北、上越など夏の気温が低いところで発病し、夏の気温が低い年には特に大発生して、壊滅的な打撃を与えることもしばしばです。よって、日本の農薬研究はこの病気を克服することに最大の焦点を置いており、それは現在も変わっていません。6月頃から発生しはじめ、盛夏には発生は一旦鈍ります。そして、秋口に再び発生しはじめます。最近は数多くの高性能薬剤の開発と徹底した予防策で目だった被害が出ていませんが、油断は出来ません。
穂いもち病
葉いもち病が出た場合、その病原菌が秋になると穂に移って病気を引き起こすことがあります。収穫を目の前にして、穂がやられるのでダメージが大きな病気です。今、人気の「コシヒカリ」は特に葉・穂いもち病に弱く、注意が必要です。
もんがれ病
いもち病とは逆に暖地で発生する病気で、西日本の水田ではいもち病以上におそれられている病気です。病原菌は菌核を生成して土に落ち、それが次年度以降の発生源となります。数多くのもんがれ病防除剤が開発されてきましたが、まだまだ油断できない病害です。
ばか苗病
異常に背が高くなっているのがばか苗病におかされたイネです。種もみに付着した病原菌は、イネの発芽と共に活動を開始し、イネの成長に欠かせないホルモンである「ジベレリン」と同じ成分を産生します。その為、イネは成育バランスが崩れ、背丈は高くなり、穂は実らなくなってしまいます。農薬による防除も出来ますが、耐性菌の出現で難しくなってきており、健康な種もみを使うことが最も重要です
さび病
麦に発生する病気で名前の通り葉が錆びたようになります。世界三大病害をあげるとすれば、このさび病とイモチ病とジャガイモ疫病になるでしょうか?おかされた麦は20〜30%ぐらいの大幅な減収を余儀なくされます。しかし、日本では麦の栽培面積自体が少なく、また主食ではないので大きな問題にはなっていません。ヨーロッパを中心に盛んに新農薬が開発されています。
うどんこ病
色々な作物に発生する病気です。しかし、それぞれの病原菌は別々の種類です。葉にうどんの粉をまぶしたような白い斑点が多数出来てしまいます。
べと病
これも、色々な作物に発生する病気です。同じく、それぞれの病原菌は別々の種類です。特にキュウリやトマトなど軟弱な野菜類やブドウでは最も重要な病害となっています。ブドウでは5月頃から10月頃までダラダラと発生が続き、なんども薬剤散布をしなければならず、手こずらされます。
えき病
野菜類に発生する病気で、特にジャガイモにとっては大きな問題となる病気です。欧米などジャガイモを主食にしている国では最も警戒されている病害でもあります。雨が降ると病原菌は流されて、別の葉っぱや根にたどり着き繁殖を繰り返します。時には畑を全滅させることもあり、収穫は無くなってしまいます。昔、英国で大発生し、多くの人が食べ物が無く、新大陸(アメリカ)への移住を余儀なくされました。今日のアメリカの発展を作った遠因となったとも言われる病害です。
菌核病
菌核病菌は多くの作物に寄生しますが、特にキャベツや白菜では収穫直前に発病して、大幅な減収をもたらせます。菌は土中で長い期間越冬することが出来るので、毎年繰り返し発症し問題となります。その場合は他の作物を植える(輪作)などの対策が必要です。
くろほし病
黒い星のような病斑が出ればくろほし病ということですが、特に問題になるのはリンゴやナシやカキなどの果実に発生した場合です。収穫できなくなることも問題ですが、果実が割れたり外観が悪くなったりして、商品価値が落ちてしまうのも問題です。
写真準備中 モザイク病
野菜、果樹全般に起こる病気です。ウィルスが原因で起こる病気で、現在ウィルスに効く農薬は無いので治療法はありません。アブラムシなど昆虫により伝染するので、それらを防除するのが最善です。また、耐病性品種が開発されているのでそれを使うのも手です。また、発病した株は早々に引き抜いて処分します。手遅れになると壊滅的な被害をもたらすこともあります。
根こぶ病
写真はキャベツの根こぶ病です。土中のカビの一種によって発病し、成育が止まり腐敗してしまいます。土中の病気に効く農薬はなく、発生してしまうと止めることは出来ません。土壌消毒や輪作などの方法で防除します。
もう一つ、ネコブセンチュウという生物で起こることもあります。センチュウは線虫と書きますが、名前の通り小さな小さな線のような細長い生物で、虫の仲間ではなく、回虫などの仲間です。症状は少し違いますが、防除法は同じです。