農薬関連書籍の紹介

 日進月歩の科学の世界、農薬も例外ではありません。特に80年代後半からの農薬そのものや農薬問題の変化はめざましく、勉強するためには新しい本を読む必要があります。数多くの書籍の中から新しくて役に立つ本だけを紹介いたします。また雑誌類も有用な情報源ですので合わせて紹介いたします。特にお勧めの本は赤色で示しています。

アマゾン丸善のホームページで、ほとんどが購入可能です。

1、入門書・・・一般の主婦や学生などが農薬を知るのに最適な本です。

農薬概説(第3版98年版) -- 日本植物防疫協会 1660円 98年 農薬に関する入門書。総合的で難易度は高め
食品中の残留農薬Q&A 日本食品衛生協会 中央法規 2300円 01年 最も良くできた啓蒙書。Q&A方式で読みやすい。
詳しくは紹介HP参照
変わりゆく農薬 深海浩 化学同人 1800円 98年 入門書の決定版。データの羅列ではなく親しみやすい文章。必携
豊かな食生活:農薬の役割 -- 科学技術教育協会 1200円 95年 中高生向けの教科書を意図した本。広く浅く勉強したい人に。
簡単でわかりやすい入門するための入門書
農薬のおはなし 松中昭一 日本規格協会 1300円 00年 すいません、私読んでません(^_^;) 松中先生の本だから相当期待できるでしょう
科学技術のリスク HWルイス・宮永一郎 昭和堂 2200円 97年 農薬の本ではないが環境問題を考えるときに必ず読んで欲しい本
持続可能な農業と日本の将来 内田又左衛門 化学工業日報社 2000円 92年 農業・農薬・環境・社会の関係を述べている。難易度高め
環境科学の基本 塚谷恒雄 化学同人 1800円 97年 環境科学から環境倫理まで幅広く基礎を勉強できる良書
豊かさと環境 栗原紀夫 化学同人 1800円 97年 リスク論を基本から解説。わかりやすくて教科書として最適
原点からの農薬論 平野千里 農文協 1600円 98年 自然に存在する抗菌物質などと農薬を比較して農薬を見直してみるというアプローチ
農薬原論−農薬の50年 中南 元 北斗出版 2500円 01年 比較的批判的だが、読みやすくて良いと思う。農薬の歴史についての記載を期待したがそれは少ない。
農薬に対する誤解と偏見 福田秀夫 今月の農業編集室 2800円 00年 非常に読みやすくて勉強になる。一般の方に手にとってもらいたいが、やや難しいので他の入門書を読んでからどうぞ。

2、データ集・・・農薬に関するデータを集めた本。データ集は「鮮度」が重要です。 

クミアイ農薬総覧 -- 全農 4800円 01年 2年に1回発行される全農取扱農薬の辞典。各種データも記載されていて非常に使いやすい。入手はこのHPへ
食品中の残留農薬 厚生省生活衛生局 日本食品衛生協会 7000円 97年 作物ごとに分析された農薬の残留値が記載された本。データ数は膨大
農薬の安全性評価データ集1997年改訂版 関沢 純 編 国立衛生試験所 29400円 97年 国内で使われる農薬の基準値や安全性評価データを網羅
SHIBUYA INDEX 編集委員会 全農教 42857円 02年 国内外の農薬原体の化学構造式辞典。商品化されなかった物も網羅。入手はこのHPへ
農薬要覧 農水省農産園芸局 日本植物防疫協会 7200円 01年 年1回発行。農薬の使用量や売上金額が事細かに出ている
農薬毒性の事典
改訂版
植村振作 他 三省堂 3000円 02年 毒性データベースとして重宝する。データの解釈・解析には誤りが多いので注意。オンライン版もあるが会員制。申し込みはこのHPへ
農薬の手引き 化学工業日報社 6800円 年1回発行。農薬を使う人向けの商品紹介
農薬データブック 第3版 上杉康彦 他 ソフトサイエンス社 16500円 97年 農薬原体データ集。化学構造式と物理性がのっている。

3、教科書・・・入門書では飽き足りない人に。ぜひとも読んで欲しい本だけ厳選しました。

植物防疫講座(第3版)−雑草・農薬・行政編− -- 日本植物防疫協会 4400円 97年 農薬の科学、法律など総合的にカバー。入門〜専門と幅広く、ぜひそろえたい1冊
農薬学事典 本山直樹ら 朝倉書店 20000円 01年 非常に値段が高い本だが、その分の値打ちはある。農薬を専門的に学びたい学生や研究者は自分への投資と思って買って欲しい
新しい農薬の科学 宮本純之 廣川書店 6800円 93年 専門家を目指す人が最初に読むのに最適
毒性学 毒性発現のメカニズム 土井邦雄 川島書店 3200円 93年 毒性とは何か?を教科書的に。入門〜専門
農薬の環境科学 金澤 純 合同出版 6000円 92年 引用されることが非常に多い。この分野の標準的教科書。最高にお勧めの1冊。少し古いが必ずよんで欲しい
農薬製剤ガイド 日本農薬学会 日本植物防疫協会 3600円 97年 これ一冊で製剤のことは最新情報まで全てわかる。
環境と食料・農業 久馬一剛 化学同人 1800円 97年 農業システム全体を考える上できっかけになる本
新農薬学 松中昭一 ソフトサイエンス社 3150円 98年 難易度の低い教科書。生物農薬に多くのページを割いたのは新鮮
土と農薬 鍬塚昭三・山本広基 日本植物防疫協会 3500円 98年 農薬が土壌で、環境中でどのように振る舞うのか総合的に勉強できる。必携
環境疫学−考え方と応用− 山口誠哉 技報堂出版 2500円 87年 農薬と疫学の関係は深い。正しい疫学をぜひ学んで欲しい

4、月刊・季刊誌・・・最新情報の発信点として重要。学会誌は専門的で英語力も必要です。

日本農薬学会誌 日本農薬学会 8000円/年 年4冊 広範な農薬に関する話題。最新剤の毒性試験データが載っている
日本農芸化学会誌 日本農芸化学会 -- 年12冊 農業を生物の立場から見た話題。最近はバイテクの話題が多い
植調 日本植物調節剤研究協会 -- 年12冊 農薬の使用法や新規農薬の開発などの話題
中毒研究 日本中毒学会 -- 年4冊 中毒の話題を取り扱う。農薬中毒の話題も多数
現代農業 農山漁村文化協会 800円/月 年12冊 減農薬、無農薬に取り組む人達の情報交換誌。普通の人にもなじみやすい
植物防疫 日本植物防疫協会 -- 年12冊 その名の通り植物防疫の話題を取り扱う
今月の農業 化学工業日報社 9700円/年 年12冊 農業・農薬に関連に特化した歴史の長い月刊誌。安いし情報多数なので買いましょう

5、その他

百姓の一筆 耕さず食うみなさまがたへ 田中佳宏 社会思想社 1500円 88年 農家の本音と実状を知ることは農薬問題を考える上で重要
虫獣除けの原風景 岡本大二郎 日本植物防疫協会 3700円 92年 明治以前の植物保護の歴史。読み物としてもおもしろい
日本における農薬の歴史 松中昭一 学会出版センター 4000円 02年 農薬の歴史に関する大書

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