∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞     ○◎● 隔週刊                   ●◎○    ○◎●   正しい農薬の知識を身につけるマガジン  ●◎○   ○◎●          第13号 2000/11/23発行 ●◎○   農薬に関する話題を中心に農業や環境問題を考えるメールマガジンです。   「農薬ネット」http://nouyaku.net/index.htmlと連動しています。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  主婦や学生でも安心して読めるように極力簡単に説明するようにしています。  メールマガジンに対するご意見ご要望はntateki@nifty.comお気軽にどうぞ。 ●◎●◎●◎●◎●◎●◎●◎●◎●◎●◎●◎●◎●◎●◎●◎●◎●◎●◎  たてきがまたテレビに出ます。座談会形式でたっぷり映っているのでみんな見 てね(^^)   11月25日(土)11:00〜  「サイエンスディスカッション第13回」 近未来食生活はどうなるか   ケーブルテレビ または CS。科学技術庁サイエンスチャンネル  討論自体は消化不良でしたけどね(^_^;)言いたいこともあまりいえなかった。 それにたてきもCS持ってない・・・ ●◎●◎●◎●◎●◎●◎●◎●◎●◎●◎●◎●◎●◎●◎●◎●◎●◎●◎ ★★ 第13号の内容 ★★  予告では「ゴルフ場農薬」でしたが、クロロピリホスに関するニュースが飛び 込んできましたので予定を変更しました。 【シロアリ用クロロピリホスが消える】  クロロピリホスってなに?。シロアリ駆除の現状。さらにクロロピリホスが消 えることをどう考えるべきか?などをつらつらと。 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ ●シロアリ用の殺虫剤●  シロアリは木造家屋にとって大敵であることは言うまでもありません。もしな にもシロアリ対策をしていなければ数年から十数年で被害を受けることになるで しょう。そこで、建材そのものや、建築後の家自体にもシロアリ対策として殺虫 剤が使われています。    法律的には農作物に使うために登録をとっているものが農薬となっていますの で、シロアリ用の殺虫剤は農薬の範疇には入りません。しかし、農薬にもシロア リにも同じ成分が使われている場合も多いので、「シロアリ用農薬」などと表現 されることもあります。間違った言葉ですが、感覚としてはわからないでもない ですね。  家の防虫が目的ですから、効果が長く続くことが要求されます。昔は「クロル デン」というものが使われていました。これは非常に効果が高く、長続きするの ですが、長続きするというのは自然界に長期残留するという欠点の裏返しでもあ りました。よって、環境残留性を理由に現在は使用できなくなっています。それ に替わって使われるようになったのが今回の主役である「クロロピリホス」です。 ●クロロピリホスってなに?●  クロロピリホスは有機リン系とよばれる殺虫剤の一種で、マラソンやスミチオ ンなどの近縁にあたります。それらの中でたまたまシロアリに効果が高く、効果 持続性もあったのでよく使われているのだと思います。  農薬としても主に果樹園などでよく使用されています。農家にとっては「ダー ズバン」という商品名でおなじみの農薬ではないでしょうか。  先に出てきた「クロルデン」はどういう条件でも分解しにくい殺虫剤でしたが、 「クロロピリホス」は果樹園などでは容易に分解されます。しかし、家に処理し た場合は比較的長く(数年)効果が持続します。これは太陽に当たらないので光 による分解が行われないためと思われます。 ●クロロピリホスの欠点●  最近は「ハウスシック」という言葉をよく聞きますが、これは家の壁や床など から色々な化学物質が放出されて、住んでいる人は毎日それらと接触するので体 調をこわしてしまうという現象です。「ハウスシック」が本当に化学物質による ものかどうかも判然とはしていませんが、原因としてよくやり玉に挙がるものに 「ホルムアルデヒド」と「クロロピリホス」があります。  クロロピリホスをシロアリ駆除に使うと、短くても数日間ぐらいは臭気がただ ようことがあります。これはクロロピリホスそのものや、クロロピリホスを床下 に塗りつける際に使う油(油剤)によるものです。不快感をもよおす臭いであり、 またペットの金魚などが死んだりするトラブルも起こっています。人間は体も大 きいし、解毒する能力もあるのでシロアリ駆除ぐらいのクロロピリホスの量では 中毒しませんが、個人差もあるし中毒しないまでも悪臭がするだけでも気分が優 れないこともあるでしょう。また、目や粘膜などへの刺激性なども指摘されてい ます。  また、効果持続性もクロルデンや最近開発されてきた新種のシロアリ剤に比べ て劣る傾向があるようです。クロロピリホスは急性毒性や皮膚刺激性が比較的高 いのでシロアリ駆除を行う業者にとっても、特に気をつけなければならない薬剤 です。 ●クロロピリホス、シロアリ用に使用不可へ●  アメリカでは総じて日本に比べて有機リン剤に対する風当たりが強いような印 象をたてきは持っています。使用量が多いですし、それに比例して事故も目立つ し、神経系に作用する剤ですし、少なからず気化するので吸入毒性が気になるし、 日欧のメーカーが主な剤をおさえているし・・・などなどが理由のような気がし ます。  それはともかく、子供の神経系の成長への影響が否定できないという理由でク ロロピリホスを子供が触れるかもしれないところでは使用しないという決定が下 されました。子供が触れる場所とは、家や庭を主に指しています。  日本もそれに追従する形で制限が行われることになりました。「反農薬東京連 合」のHPによれば、11/7に業界団体(白対協)がシロアリ用クロロピリホ スの製造販売中止を2001年10月から、家屋への使用中止を2002年4月 からと決定したとのことです。 ●どうなる?今後のシロアリ駆除●  クロロピリホスは最近でもシロアリ駆除のシェアは1位だったようです。しか し、90年代に入って新型のハチクサン(ネオニコチノイド系)や各種合成ピレ スロイド系殺虫剤が開発され、急速に伸びています。今回の決定は新型剤の開発 が進んだことが大きな要因であったことは間違いないと思われます。業界団体も これをきっかけに新型剤に切り替えることにはメリットを感じているのではない でしょうか?というのも、シロアリ駆除の価格競争は厳しく、新型剤を使いたく ても値段の安いクロロピリホスを使わざるを得なかった事情があったように思え るからです。  たてきも農薬ネットで以前からシロアリ駆除を業者に頼むなら、値段ばかりに とらわれず、少々高くても新型剤を使うように業者に頼むべきであると指摘して いました。ですから、クロロピリホスがシロアリ分野から無くなることは誰にと ってもデメリットは少ないと思います。 ●クロロピリホスが無くなったのは毒性だけが原因ではない●  こういう事件があるとすぐに出てくるのが「今で大丈夫だと言っていたのに後 から毒性が出て使用禁止になった」とか「以前から毒性が指摘されていたのに業 者の都合で使われていた」などの意見です。  なにやら正論に聞こえますが、同じことを車や電車の分野でいえば笑いものです。  「蒸気機関車は煙を吐き火の粉をまき散らし、以前から危険だと指摘されてい たのに1970年代まで国鉄の都合で運転され続けていた。国民の健康を無視し ている」  「カローラが発売されたときには安全だとCMで言っていたのに、あとから危 険性を指摘されてシートベルトやチャイルドシートの装着が行われ、昔のタイプ は現在では安全基準を見たせない危険なものだった」  身近なものは我々自身が時代の流れを敏感にかぎ取り、科学の進歩を目の当た りにします。そして、具体的なベネフィットを獲得します。車や電車の分野はそ うです。  一方、シロアリ剤のような身近ではないものにはそのような感覚を持つことが できません。それは仕方がないことです。  先の例でいえば、蒸気機関車がいかに環境に悪いものであろうと、それに替わ る電車や新幹線が開発されない限りはやめることはなかったでしょう。次の例で は時代時代に応じてその時の最高レベルの安全性というのがあり、科学が進歩す ることにより安全性が進歩したならば、新しい車を歓迎すればいいのであって、 新しい車と比べて古い車を責めても仕方がないといえないでしょうか。  身近か身近でないかの違いであって、科学の進歩という意味では車もシロアリ 剤も同じです。そういう目をもつことがたてきがHPで訴えている「バランス感 覚」です。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  ●おまけ: ダーズバンはどうなる?●  クロロピリホスの果樹園など向けは「ダーズバン」という殺虫剤ですが、今の ところ特に情報はありません。しかし、シロアリ用が製造禁止になったので、農 薬用だけでは製造量が大幅に落ちるでしょう。そうなるとメーカーもコスト面な どで問題が起こるでしょうし、近い将来的に無くなる方向に向かうのではないで しょうか。ダーズバンが無くなっても果樹生産に悪影響は出ないでしょう。代わ りはあるでしょうし。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  ●●執筆者募集 ギャラあり(高額(^^))●●  某出版社が農薬に関する最新情報を書いてくれるライターを募集しております。 たてきは事情で辞退させていただきました。大学、農試、役所、フリーなど農薬 企業と利害関係が無く、新しい農薬処理方法(箱処理、無人ヘリ、側条施用など) について記事の書ける方はたてきへメールを送ってください。折り返し要項を送 付いたします。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  ●カンパ募集(^_^;)●  農薬ネットはレンタルサーバーを使用しているのでたてきの小遣いが・・・・ (以下略)。。。運営資金のカンパ募集します。。。と、いうとビックリされる かな!?農薬ネット http://nouyaku.net/index.html のトップページのバナーを 押してやって下さい。たてきに1回17円入る仕組みになっています (^_^;) ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ ★★次号の予告★★ 次号は12/10ごろの発行予定。  【バランス感覚を身につけよう】  農薬や環境問題を考えるには、物事を多角的に大きく考える力が必要です。 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡  メールは ntateki@nifty.com まで  HPは http://nouyaku.net/index.html  配信数は 1162部です。 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡